第1回社会共創概論が開催されました

社会共創概論の授業が始まりました.この講義は,電子情報工学という学問分野が社会においてどのような形で貢献できるかを理解できるようになるとともに,自分の将来像についてイメージする機会を得ることを目的としたもので,毎回,世界的に活躍している研究者や技術者をお招きしております.2025年度の第1回目の講義は大阪大学の森勇介先生をお招きし,「産業の川上「結晶」が拓くグリーン・デジタル社会」というタイトルでご講義いただきました.

現在,半導体分野は大変注目されており,最近では「半導体」という言葉を聞かない日が無いほどです.このように半導体産業やそれに関する分野が注目されているのは,半導体の進歩が社会の変革に直結する重要な分野だからです.例えば,ChatGPTをはじめとするAI(Artifical Intelligence)やデジタル技術はロジック半導体がなければ作り出すことはできません.また,省エネに直結するパワー半導体に関する技術もこれからのグリーン社会には必要です.さらに,IoT(Internet Of Things)はそれらの融合分野です.このような半導体技術の進化には「結晶」技術の進化が不可欠となります.ご講義では,森先生が進めてこられた結晶成長に関するご研究の概要や研究成果が半導体産業に与えるインパクトについて,わかりやすく紹介していただきました.また,これまでの研究の学術的な意味に加え,電子情報工学を学ぶことの大切さ・面白さについても,様々な話題を交えながら教えていただきました.

今年度は,このあと8回にわたって外部講師の先生方をお招きし,電子情報工学に関するご講義をいただく予定となっております.電子情報工学コースでは,この講義を通して電子・情報工学という分野が社会のどのような場面で役立っているのかを知るとともに,各自の将来について考える機会を提供していきます.