第8回社会共創概論が開催されました

7月16日,第8 回目の社会共創概論の講義が工学部20番教室にて開催されました.今回の講義が最終回となる社会共創概論ですが,最終回には大阪大学の村田忠彦先生をお迎えしてご講義をいただきました.村田先生は大阪大学のD3(Data design, Datability, Decision Intelligence)センターの教授で,社会シミュレーション,特にデジタルツインとしてサイバー空間で構築された仮想的な実社会をシミュレートする技術である「リアルスケール社会シミュレーション」を専門に研究されております.現在はD3センターの教授に加えて,大阪大学大学院情報科学研究科 データ生成工学の教授も務められています.
講義では「リアルスケール社会シミュレーションによる未来社会デザイン」と題して,先生が取り組まれてきたご研究についてお話いただきました.講義の中では,村田先生がこれまでに多目的最適化手法の開発やファジィ論理,忘却型ニューラルネットワークなどに関する研究に携わってきたこと,この研究成果が「社会シミュレーション」に関する研究につながったことについてお話されました.また,気象シミュレーションのような自然科学分野におけるシミュレーションと,社会科学におけるシミュレーションの違いについても解説いただきました.村田先生の研究成果は,数年前に世界を大混乱に巻き込んだ新型コロナウィルス感染症の感染者予測シミュレーションにも用いられており,多くの研究者が村田先生のデータを用いて感染者の予測をしています.講演では,村田先生ご自身が内閣府のチームとして参画したプロジェクトの内容についてもご紹介され,参加した学生は先生の話を興味深そうに聞き入ってました.

電子情報工学コースでは,外部の先生方を積極的に招待してご講演をいただくことは,学生の皆さんの学習へのモチベーションをアップさせるためにとても重要であると考えています.2024年度の社会共創概論はこの回をもって終了となりますが,来年度も半導体やデジタル技術の分野において世界的に活躍する先生方をお招きしてご講演をいただく予定です.来年度の社会共創概論もお楽しみに.