半導体工学講座の紹介
Laboratories for Semiconductor Engineering

半導体技術は世の中に必要不可欠なもの

半導体は,鉄などの電気を通す導体と,ガラスなどの電気を通さない絶縁体との間の物質を指しており,代表的な物質としてシリコンがあります.また,複数の元素が組み合わさった化合物半導体や金属が酸化した酸化物半導体,有機材料からなる有機半導体があります.これらの半導体は,用途に応じて様々な電子機器に使われています.例えば,シリコンは集積回路で用いられる代表的な半導体であり,発光ダイオード(LED)には化合物半導体が用いられています.

カーボンニュートラルな社会の実現にはデジタル社会への変革が不可欠であり,その鍵となる素子が半導体です.半導体は「産業の米」とも言われ,あらゆる電子機器に組み込まれて,自動車や家電をはじめ各種製品の基幹部品となっています.電子情報工学コースでは,これからの時代に不可欠となる半導体分野における高度技術者の育成を目的に,半導体の基礎から応用までを実践的に学びます

電子情報工学コースにおける半導体工学の研究

電子情報工学コースでは専任教員に加えて,半導体・デジタル未来創造センターに所属している教員が連携教員として電子情報工学コースに参画する予定です。各教員は半導体結晶成長技術半導体デバイス作製に関連する研究を進めています。研究の成果を産業界や行政と連携しながら実際の社会システムとして使われるように組み込んでいく「社会実装」にも取り組んでいます。また,より高品質および高機能の半導体デバイスの作製に向けた半導体特性評価および半導体材料科学に関する研究を推進している研究室もあります.詳しくは各研究室のHP(本ページの下部)をご覧ください.

研究分野(研究室)紹介

半導体デバイス研究室

研究室の概要:
 窒化物半導体を用いたLEDなどの光デバイスは,青色や白色のLEDだけでなく信号機,テレビ,スマートフォン,照明など広く応用され,さらに携帯電話の基地局で用いられる高周波トランジスタ,省エネルギーを目的とした自動車用パワー半導体としも実用化されつつあります.半導体デバイス研究室では,窒化物半導体の結晶成長やデバイス作製,物性やデバイス特性の評価を中心に世界トップレベルの研究を行っています.

研究分野(キーワード):
 窒化物半導体,深紫外LED,電子デバイス等
ホームページ:
 https://www.opt.elec.mie-u.ac.jp/index.html

半導体結晶先端解析研究室
(半導体・デジタル未来創造センター)

クリックすると拡大版が表示されます

研究室の概要:
 本研究室では,次世代の省エネルギー社会を支えるパワーデバイス、特にその基盤となる半導体単結晶材料の欠陥研究に取り組んでいます.SiC(炭化ケイ素),GaN(窒化ガリウム),Ga₂O₃(酸化ガリウム)といった次世代のワイドバンドギャップ半導体に注目し,それらの結晶に含まれる格子欠陥(原子位置のズレ)の高精度な評価を進めています.これらの欠陥はデバイスの性能や信頼性に大きな影響を与えるため,先端的な放射光X線イメージングや顕微鏡観察技術,オペランド観測技術,機械学習を駆使して詳細に解析しています.材料科学とデバイス工学の知見を融合し,より高効率・高耐圧・高信頼性なパワーデバイスの実現に貢献することを目指しています.

研究分野(キーワード):
 結晶工学、結晶欠陥解析、パワーデバイス、ワイドバンドギャップ半導体、X線・電子線回折、オペランド観測
ホームページ:
 現在作成中(以下のリンクをご覧ください)
関連ページへのリンク:
 https://researchmap.jp/JFCCYAO/
 https://researchmap.jp/K-OHNISHI
 https://www.icsdf.mie-u.ac.jp/

半導体結晶工学研究室
(半導体・デジタル未来創造センター)

研究室概要:
 半導体結晶工学研究室では結晶成長技術に基づいた高性能半導体デバイスの実現により,高効率で便利な次世代スマート社会の構築に貢献します。主に電子デバイスとしても光デバイスとしても広い用途が見込まれる窒化ガリウム(GaN)に代表される窒化物半導体と関連する半導体材料の基板,結晶成長,デバイス,評価等の研究を行っています.材料の特性を最大限に引き出す高い結晶品質と社会実装に見合う高い生産性を実現するために,反応炉デザイン,反応メカニズム解明,成長基板の低コスト化・高品質化,実用的な結晶評価,デバイス作製・評価に取り組んでいます.本質追究と多角的思考による問題解決を実践し,どんな分野でも活躍できる技術者育成を目指します.

研究分野(キーワード):
 半導体工学,窒化物半導体,結晶成長,気相反応解析,電子デバイス,光デバイス
ホームページ:
 現在作成中(以下のリンクをご覧ください)
関連ページへのリンク:
 https://researchmap.jp/NittaShugo